STRINGS NIGHT
VOL. 2
2024年10月3日
本日はお忙しい中、STRINGS NIGHT Vol.2に
お越しいただき誠にありがとうございます。
今回は弦楽器の魅力を思う存分味わっていただくため、
チェロのソロ演奏から、ヴァイオリンとヴィオラのデュオ、
そこにチェロを追加したトリオ、
室内楽の真骨頂であるカルテット、
そして最後は、ヴィオラをプラスしたクインテットまで
ご用意いたしました。
いつも多大なご支援を頂いている
100万人のクラシックライブ蓑田さま、
そしていつもお越しくださる沢山のお客様のおかげで、
ここまで続けてこられました。心より感謝申し上げます。
それでは最後までどうぞごゆっくりお楽しみください。
株式会社オーパス・ネクスト代表
Tone Color Collective主宰
堀 脩史
01
J.S. バッハ:
今ではCMなどでも使われ、どこかで聞いた事のあるクラシック曲として有名な無伴奏チェロ組曲ですが、長い間、単純な練習曲として忘れられていました。それを、20世紀初頭にチェロの神様といわれるパブロ・カザルスが演奏活動にて取り上げだしてから、その魅力が再発見され、現代においてはバッハの作品の中でも特に高く評価されている曲です。全部で6つある組曲の、第1番の1曲目「プレリュード」を演奏いたします。
無伴奏チェロ組曲 BWV 1007
第1番よりプレリュード
02
ヘンデル作曲 ハルヴォルセン編:
ヴァイオリンとヴィオラのための
パッサカリア
パッサカリアとは、同一音形が繰り返される低声音の旋律の上に、上声部で変奏が行われ、メロディーが次々と変化して展開してゆく曲のことです。原曲は、ヘンデルのハープシコード組曲 第7番 HWV432の第6曲 「パッサカリア」です。それを、1897年ノルウェー生まれのヴァイオリニスト兼指揮者であったヨハン・ハルヴォルセンが、ヴァイオリンとヴィオラというシンプルな編成で編曲しました。
全く新しい創作にも聴こえる、壮大でカッコいいパッサカリアは、STRINGS NIGHTにふさわしい、弦楽器の魅力を思う存分味わえる1曲です。
03
フランツ・シューベルト:
「歌曲の王」として知られるシューベルトの作品は、どれもメロディーが美しく、この曲もまさにそのうちの1曲だと思います。これは若い頃のシューベルトが、1816年に作曲した作品で、未完成のまま残されており、実際には1楽章のみが完成しています。
この作品は、形式的にはソナタ形式に則っており、軽やかで優雅な旋律が特徴です。弦楽四重奏やピアノ五重奏などの他の室内楽作品に比べて、より親しみやすい性格を持っていて、このD.471は、彼の他の室内楽作品と同様に、優れた旋律美と独自の感性が感じられる作品として評価されています。
また、他にも草稿段階にとどまった作品もいくつか存在していますが、完成したのはこの1番のみです。弦楽三重奏は、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという構成で演奏されますが、この編成はシューベルトが得意とした大規模な交響曲やピアノ作品とは対照的に、親密な雰囲気を持ち、シューベルトの内面的な感情がより繊細に表現されているように思います。
弦楽三重奏曲 変ロ長調 D. 471
04
ハイドン:
弦楽四重奏曲 第67番 ニ長調
『ひばり』
第1楽章 Allegro moderato
第2楽章 Adagio cantabile
第3楽章 Menuetto (Allegretto)
第4楽章 Finale (Vivace)
ハイドンの弦楽四重奏曲 Op. 64, No. 5は、「ひばり」(Lark)の愛称で知られる作品で、1790年頃に作曲されました。Op. 64は、ハイドンが作曲した6曲の弦楽四重奏曲のセットであり、特にこの第5番はその美しさと独創性で際立っています。
この作品は、当時の楽器編成である2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏という形式の中で、ハイドンがどのように高度な対話的な音楽を作り出したかを示す代表的な例です。Op. 64の四重奏曲全体は、ハイドンが音楽的成熟に達した時期のものと考えられており、その中でも第5番は特に人気が高く、現在も頻繁に演奏されます。
1790年頃、ハイドンはエステルハージ宮廷の音楽監督としての職務を終え、より自由な立場で作曲活動に専念できるようになりました。この時期、彼の音楽はますます国際的な評価を得るようになり、特にロンドンでの成功が彼の名声を押し上げました。Op. 64の四重奏曲は、彼が音楽的にも技術的にも最も成熟していた時期に書かれたものであり、ハイドンの弦楽四重奏の技法がピークに達したことを示しています。
この四重奏曲は、単に技術的に優れているだけでなく、旋律の美しさや各楽器の対話的な性格、軽やかなユーモアといった要素が巧みに融合されています。また、ハイドンの後に続くモーツァルトやベートーヴェンといった作曲家にも大きな影響を与え、彼らが弦楽四重奏の形式をさらに発展させる上での礎となりました。
「ひばり」は、その旋律の豊かさと親しみやすさから、弦楽四重奏のレパートリーの中でも特に愛される作品であり、ハイドンがこのジャンルにおいて成し遂げた最大の成果の一つといえます。
休憩 15分
05
モーツァルト:
第1楽章 Allegro
第2楽章 Andante
第3楽章 Menuetto (Allegretto)
第4楽章 Allegro
1787年に作曲された作品で、弦楽五重奏の分野で非常に重要かつ革新的な位置を占めています。この作品は、弦楽四重奏にもう1本のヴィオラを加えた編成であり、モーツァルトはこの形式で独特の音楽的表現を生み出しました。
この五重奏曲は、モーツァルトがウィーンで活躍していた時期のものであり、彼の他の傑作と同じく、成熟した音楽言語を持っています。1787年は、彼がオペラ『ドン・ジョヴァンニ』を作曲していた時期でもあり、そのドラマティックな表現がこの五重奏曲にも反映されています。
モーツァルトは弦楽四重奏の形式ではなく、あえて五重奏という編成を選んでおり、特にヴィオラの役割を強調しています。この編成は、音楽の厚みや深みを増し、モーツァルトが大切にしていた内面的な対話や感情の表現を可能にしています。また、構成の完璧さや旋律の美しさ、楽器間の対話の緻密さは、室内楽作品として非常に高い評価を受けています。K. 515は、彼の室内楽作品の中でも特に規模が大きく、また内容的にも充実しており、しばしばベートーヴェンやシューベルトと並ぶ傑作とされています。
弦楽五重奏曲 第3番
ハ長調 K. 515
出演者プロフィール
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